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うつ病のサインを見逃さない

9月 7th, 2014 Posted in うつ病, メンタル | うつ病のサインを見逃さない はコメントを受け付けていません

見逃してしまっては後々大変なことになるうつ病。肉体的にも精神的にもタフさが必要とされる看護師にとっては特に人ごとではありません。
うつ病を防ぐために注意しておきたいポイントとは一体なんでしょうか。

● 体や心がつらい

 日本人は6人に1人が生涯のうちで一度はうつ病などのメンタル不全にかかるといわれています。特に看護師は命に係わる仕事をするため、長時間緊張状態にさらされる大変ストレスの高い仕事でもあります。ストレスは良い仕事をするには欠かせない要素でもありますが、過ぎてしまえば毒にもなります。
 朝、予定の起床時間よりも1時間前に目が覚めることが多くなったり寝付けない、眠れないといった睡眠の症状や疲れが取れず疲労感が抜けないと感じていると要注意です。体に異変を感じたら、無理をせずしっかり自分の心を見つめるようにしましょう。
 心の不調が思わぬ体の不調となって表れてくることもあります。3週間以上たっても体と心がつらくてたまらないと感じる方は、健康診断を受けることも大切ですが、一度しっかりと休養をとる、もしくは心療内科等のメンタル専門の医療機関で一度受診してみた方が良いと思います。

● メンタル不全のサインを知っておきましょう

 うつ病などのメンタル不全の発見が、休職しなければならないほど疲れ切ってから初めてうつ病なのではないかと気づく方もいます。早期発見ができれば、休職復職を繰り返してしまうほど深刻になってしまう前に回復することができます。ぜひうつ病のサインについて時々目を通しておいてください。
 うつ病は自分自身で気づかないこともあります。また、仕事に差しさわりがあるのでは、家族に迷惑がかかるなどの理由から、自分で不調を感じていても気のせいとスルーしてしまっていることもあります。うつ病などのメンタル不全の兆候を知っておくことで、友達や家族を助けることができます。

● うつ病などのメンタル不全のサイン

 うつ病のサインに気づきにくい原因の一つとして、人によって重く出る症状が10人いれば10通りあるということです。中には風邪と同じ症状が出ていたり、頭痛や腰痛、肩こり、その他の身体症状の方が重く出る方もいます。内科や外科に何度も通っているのにどこにも異常がないといわれることもあります。睡眠障害の方が強く出る方もいます。日中ひどい眠気で夕方になるにしたがって非常に元気になってくるといった人もいます。
 特徴的なメンタル不全のサインとしては、以下のサインがあります。
【睡眠】
 朝に予定していた起床時間の1時間前にぱっちりと目が覚めてしまうということが何度も続くということです。朝、体も心も起き上がれないほどつらいのに、仕事に出て終了時刻が近づくにしたがって元気が戻ってきていつも通りに仕事ができる。
 眠りにくく、朝目覚めにくい。日中に気を失いそうなほど強い眠気が襲ってくるなどの睡眠障害。
【疲労感】
 朝にとても強い疲労感がある。帰宅時間が近くなるにしたがって体が軽くなる。
【その他の体調】
 頭痛・肩こり・腰痛。下痢または便秘を繰り返す。診察を受けてもどこも異常がないといわれる。
【心】
 3週間以上ひどい落ち込みが続き何をしても心が浮き立つことがない。すべて悲観的にとらえてしまう。

 通常気分の落ち込みなどに関しては、親しい人がなくなったり、ペットが死んだり、失恋したり、そういった大きな喪失があったときには、非常に落ち込んでしまいます。けれども健康な心は3週間もすればどんなに悲しいことがあったとしても次第に元気になり始めます。けれども、3週間以上たっても気分の落ち込みがはじめのころと同じレベルで一向に浮上しない時は、深刻なうつ病にかかっている可能性があります。ひどくしんどい時は精神科医も受診してみてください。

● 行動面での兆候は

 そのほか、家族や友人の兆候としてわかりやすいのが行動面です。特に顕著に表れるのが遅刻や無断欠勤になります。うつ病などのメンタル不全に陥ると、睡眠障害とセットになってしまうことが多く、朝ベッドから起きられないほど全身がだるい、あるいは痛みが走るといったことがあります。これが続くと遅刻や欠勤が次第に多くなってきます。出勤した後、帰るころには元気になるので、「単なるさぼりじゃないの」「やる気がないんじゃないの」と誤解されやすくなるのもこの病気の特徴です。
 本来は明るく話し好きだったのに、会話の最中に突然切れられたり、口数が減り話に入らなくなる。関係ないことを話しているのに、「自分のせいだ」「私はだめな人間だ」「迷惑をかける」といった自己否定的な言葉が出てくるといったことがあります。
 また、非常にメンタル不全が深刻になってしまうと、思考力が低下するため簡単な指示が理解できなかったり、仲間の話している意味が分からなくなったりするため、単純なミスが多くなってきます。以前は簡単にできた仕事の時間がかかりとても大変なものに感じるのも特徴です。

● セルフチェックを

 こういったサインに関するチェックが簡単にできるサイトがあります。職場でメンタルセルフに取り組むところもありますので、定期的にチェックすることをお勧めします。1か月ごとに行っていると、自分の不調や悪化の兆候に気づきやすくなります。
 一度深刻なメンタル不全で休職すると、少なくとも3か月間は回復にかかってしまいます。さらに深刻になってしまうと1年以上もかかることもあります。大切なのは早期発見です。
 ネットで簡単にセルフチェックができるものがありますので、ご自分に合ったものを一つ探しておくことも良いでしょう。

★ 短時間でできるセルフチェック
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/tool/worker/
⇒ http://www.utsu.ne.jp/self_check/

● 転職よりまず静養を

 心の中で「自分がいると周りに迷惑がかかる」「死んだ方がいい」といった言葉が何度も浮かんでしまう時は、かなり重いメンタル不全になっている可能性があります。すぐに周りの人に話して自分ひとりで抱え込まないようにしましょう。一人で専門科医を受診することがつらい場合は家族に付き添ってもらいましょう。
 うつ病になってしまったと思ったとき、このままではいけないと転職や辞職をしたくなる瞬間があります。けれどもまず先に静養と治療が必要です。
 うつ病の治療は長期間にわたりますし、リワークプログラムも辞職しない限り今の勤務場所のサポートを得ることができます。病状が深刻な場合は「離職や転職」といった大きな問題は自分だけで判断しないようにしましょう。
 転職に関しても、新しい仕事先で働くには、今働いているパワーの何倍も負担がかかります。思い付きでいきなり転職しないようにしましょう。
 とにかく「おかしいな…」と感じたら、まずは家族、そして同僚、あるいは上司に相談することが大切です。「助けて」と一言いうだけで道が開けます。自分だけで抱え込まないことが最も大切です。
 『心の耳』メンタルセルフポータルサイトは、自分で気を付けるためだけでなく、家族や友人がうつ病などのメンタル不全になった場合の対処法や、病気になってしまったときの具体的な対応に関してかなり詳しい情報が掲載されています。一度ご覧いただければと思います。

★ 心の耳 うつ病の兆候
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/003.html